日焼け止めの正しい選び方って?そもそも「ノンケミカル」とは?
執筆:ZIGEN株式会社 商品開発・CS管理担当(化粧品成分検定1級合格・化粧品成分上級スペシャリスト・国際薬膳食育師)
子供や男性でも使用することが多くなってきた日焼け止め。
購入しようと思ってもたくさんの種類があり、選び方の基準がわからない!という方も多いかもしれません。
日焼け止めの選び方が難しい理由の1つは、「しっかり紫外線は防ぎたい」「肌には負担をかけたくない」
という相反する2つのことを考えないといけないから。
その上で日焼け止めの効果的な選び方を解説していきます。
日焼け止めのSPFとPAって?選び方のポイントは?
紫外線がどれだけカットできるかを表す指標は2つ。「SPF」と「PA」です。
よく見る指標ですが、どう理解すればよいかご存知ですか?
SPF
SPFはUVB(紫外線B波)に対する指標。
UVBは、サンバーン・色素沈着・そばかすの原因になります。
降り注ぐ量も多く、このような特徴と影響があります。
- ・波長が短く肌の表面のトラブルを起こす
- ・アウトドアでの日焼けで気づきやすい
- ・炎症を起こす紫外線トラブルになりやすい
- ・短時間でも大きく辛い影響を引き起こす
このような危険から守ってくれる働きを示しています。
SPF値が高ければ高いほど、紫外線をバチっとカットしてくれると思っている人が多いですが、実はこの数値は『日焼けが始まるのをどれだけ遅らせることができるのか』を表しています。
SPFは、「SPF1=20分」と計算します。
「SPF20」であれば、20×20分=400分(約6.6時間)
「SPF50」であれば、50×20分=1000分(約16.6時間)
この時間分だけ、「日焼けし始めるのを遅らせる」ことができると考えます。
PA
PAはUVA(紫外線A波)に対する指標。
UVAは、しみ・しわ・たるみといった、肌老化の原因になります。
降り注ぐ量は少ないですが、このような特徴と影響があります。
- ・波長が長く肌の奥まで届きやすい
- ・肌への影響がすぐにでないため日焼けに気付きにくい
- ・曇りでも降り注ぎ、室内でも窓ガラスを通す性質がある
- ・日常生活で浴びる量が多い
PAは、「+」の数でその強さを表します。
現在は「+」「++」「+++」「++++」の4段階があり、数が多くなるほどUVAを防ぐ効果が高いと考えます。
SPF、PAともに高い方が紫外線対策の効果が高いですが、その分肌に負担がかかるのが心配と考えられることが多いです。
日焼け止めの処方は、ケミカルとノンケミカルの2種類
SPFが高いと肌に負担がかかると考えられてきた理由は日焼け止めの成分によるものです。
日焼け止めによる紫外線をカットする方法は2つ。
紫外線吸収剤(ケミカル処方)
ケミカルとは、紫外線を肌の上で吸収し、化学変化を起こすことで日焼けを防止する方法のこと。
高い効果が見込める一方で、肌への負担が大きいとも言われています。
原料となる物質が無色透明のため、塗った時に白くなることがありません。
そのため多く配合することができ、SPF値を高くすることができるのです。
しかし、科学的に紫外線を吸収して熱エネルギーに変換するため、その時に肌が乾燥したり敏感な人は刺激になる可能性があります。
また、一部の成分はサンゴの白化現象をはじめ海洋生物に影響を与えることが分かってきており、海外では使用を禁止されている国も増えてきています。
紫外線散乱剤(ノンケミカル処方)
ノンケミカルとは、紫外線を物理的に反射、散乱させることで日焼けを防止する方法のこと。
ケミカル処方よりも肌に優しい反面、効果が弱いと言われてきました。
材料がすべて白いパウダー状であるため、多く配合すると真っ白になってしまいます。
そのため、多量に配合できずSPF値が低くなりがちだったのです。
しかし、配合の調整や技術努力で白くなりにくいだけでなく、高いSPF値を出せるようになってきています。
肌や環境への配慮から、ノンケミカルの日焼け止めも増えてきました。
ノンケミカルの日焼け止めで、肌と環境に優しい選択を
日焼け止めを購入するときには、SPFやPAだけで決めている人も多くいます。
しかし、どれだけ高い数値のものであっても、肌に負担がかかってしまっては元も子もありません。
また、塗りムラがあっても効果は出にくくなりますし、落ちてしまえば効果はなくなります。
SPF値が50あれば16時間以上、日焼けを遅らせることはできますが、1日は24時間しかありません。
必ずしも高い数値が必要なわけではないのです。
UVケアで大切な3つのこと
- ・丁寧に塗る
- ・こまめに塗りなおす
- ・肌に負担がかからないものを選ぶ
さらに、日焼け止めはマリンレジャーで使用することが多いだけでなく、塗ったものを落とせば排水として流れ、海や川に流れ出ていきます。
海の生態系に影響がでれば、海の恵みも頂いている私たちの生活にも影響が出てしまいます。
紫外線はきちんと防ぎながら、肌にも環境にも優しいUVアイテムの選択。
それは、数値だけに囚われず、きちんとしたケア方法を知ることと、成分を知ることなのです。
肌と環境のために、ぜひ、ノンケミカルな日焼け止めの選択を。
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ZIGEN株式会社 商品開発・CS管理担当
・化粧品成分検定1級合格
・化粧品成分上級スペシャリスト
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